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中山 梓介; 河野 広*; 渡辺 幸信*; 岩本 修; 緒方 一介*
RCNP Annual Report 2016 (Internet), 2 Pages, 2017/05
原子力機構では重陽子入射反応に関する理論研究を九州大学および大阪大学核物理研究センター(RCNP)と共同で行っている。本研究に関して、2016年度に得られた成果を大阪大学RCNPのアニュアルレポートに報告した。重陽子入射反応に関しては、近年、軽核(Li, Be, C等)に対する反応を用いた加速器中性子源が様々な応用分野において提案されているところである。このような施設の工学設計の際には、幅広い入射エネルギーにおいて軽核に対する反応を精度良く予測する必要がある。このため、本共同研究グループではこれまでに物理モデルに基づいた重陽子入射反応用の断面積計算コードDEURACSを開発してきた。2016年度の成果として、DEURACSを用いて厚いBeおよびC標的を重陽子で照射した際の二重微分中性子収量を計算したところ、入射エネルギー50MeVまでの範囲で計算値が実験値をよく再現した。このことからDEURACSが幅広い入射エネルギー範囲で軽核に対する反応を精度よく予測できることがわかったことや、反応成分ごとに分解した分析の結果、非弾性分解反応が中性子生成に支配的な寄与をしていることがわかったこと等を報告した。
中山 梓介; 河野 広*; 渡辺 幸信*; 岩本 修; 緒方 一介*
Physical Review C, 94(1), p.014618_1 - 014618_9, 2016/07
被引用回数:34 パーセンタイル:89.9(Physics, Nuclear)厚いBeおよびC標的を重陽子で照射した際の二重微分中性子収量(TTNY)をDEURACS(DEUteron-induced Reaction Analysis Code System)を用いて解析した。TTNYの計算値は入射エネルギー50MeVまでの範囲で実測値をよく再現した。また、陽子ストリッピング反応が中性子生成に最も支配的な寄与をすることがわかった。これらの解析からDEURACSが反応に適用可能であること、また中性子収量の精度良い予測のためにはストリッピング反応を記述するモデルが重要であることがわかった。
吉澤 道夫; 三枝 純; 吉田 真; 杉田 武志*
Proceedings of 10th International Congress of the International Radiation Protection Association (IRPA-10) (CD-ROM), 4 Pages, 2000/05
静電型加速器を用いた中性子校正場の設計及びエネルギースペクトル等の特性評価のためのモンテカルロ計算コードMCNP-ANTを開発した。高品質な中性子校正場を確立するためには、中性子ターゲットの最適設計と校正場のスペクトル評価等が重要である。現在、ターゲット中の荷電粒子の輸送から中性子の発生及び中性子の輸送計算までを一貫して行えるプログラムがない。このため、TRIM(SRIM)をもとに新たに荷電粒子の輸送と中性子の発生を計算可能なサブプログラムを作成し、汎用輸送計算コードMCNP-4Bに組み込んだ。荷電粒子の輸送に関するTRIMコードとの比較、及び既に報告されている単色中性子校正場のフルエンス率とスペクトルの測定結果との比較から、開発されたプログラムの妥当性が検証された。今後は、目的とする生成反応以外の核反応で発生する妨害中性子の評価が可能となるよう改良を行う必要がある。